昭和62年6月、兵庫県加古川市の県立高校1年生の生徒が水泳授業の逆飛び込み練習中にプールの底に頭を激突させて第四・第五頸椎圧迫骨折、頸随損傷の傷害を受けた。
生徒が県立高校の設置・管理者である兵庫県を被告として提起した国家賠償請求訴訟において、一審神戸地裁判決は、平成6年11月、生徒の過失を2割として1億2003万円の支払いを命じる判決を言い渡した。同判決は、武藤芳照東大教授の鑑定結果等に基づきプール飛び込み事故の発生メカニズムと指導上の注意義務を詳細に認定したもので、同種事件の先例となるものであった。
控訴審の大阪高裁は、指導教諭に過失があるとした一審判決を維持し過失相殺を3割として1億0291万円の支払いを命じ、この判決が確定した。
なお、この記事は宗藤泰而が執筆いたしました。