行政手続きには①比例原則、②平等原則等、行政に特有の基本原則があります。実体に即して判断した場合、これらの基本原則違反があるということになれば、行政判断を覆すことができます。
①比例原則
ある行政目的を達成しようとするとき、より規制の程度が軽い手段で目的を達成できるのなら、その軽い手段によるべき、という原則です。 目的と手段の均衡を要求するものです。
(例)
年に一度の業務報告が行政庁へ義務付けられている業者が、報告書提出が多忙のため数日遅れてしまったところ、行政庁から免許はく奪の処分を受けた。
→義務違反ではあるものの、数日遅れただけで「免許はく奪」は行き過ぎです。行政指導や罰金・過料などのより緩やかな対応で足りるというべきで、比例原則違反になります。
②平等原則
憲法14条を受ける形で、行政機関が合理的な理由なく国民を不平等に扱ってはいけないという原則です。
(例)
免許をもらって営業しているA社とB社の両者が、同じような事情の下で報告書の提出が数日遅れてしまった。両者ともこういうミスは初めてだったとき、行政庁がA社には「行政指導で注意」、B社には「業務停止30日」の処分をした場合。
→両者をこれだけ区別する合理的理由がないため、平等原則違反になります。