弁護士 吉 江 仁 子
■ はじめに
どんなに気をつけて運転していても、ある日突然、交通事故の当事者になることがあります。
ここでは、どんなタイミングで弁護士に相談したらいいか、ご紹介します。
■ 弁護士に相談するタイミング
一言で言うと、「自分ではどうしたらいいかわからないとき」が相談のタイミングです。
例えば・・・
【被害者側】
① 事故直後であれば・・
* 相手が、「人身事故にしないでほしい」というので、「物損事故」として警察に届け出たが、それでよかったのか?
* 相手が、自賠責保険にしか入っておらず、保険会社のサポートが受けられない。どういうふうに、相手に支払いを求めていったらいいかわからない。
* 通勤中の事故だったのに、会社が「労災は使えない」と言っている。
② 治療中であれば・・
* 治療費は保険会社が払ってくれていたのに、保険会社から「○ヶ月が経ったので、今月いっぱいで治療を終了してください。」と言われた。まだ、体が痛いので、通院したい。
* 保険会社から、「そろそろ症状固定にしてください」と言われた。「症状固定」によって、何が変わるのかを知りたい。
③ 症状固定後であれば・・・
* 後遺障害の事前認定の結果が出たが、納得できない。
* 相手の保険会社から示談の提案があったが、金額の意味がわからない。あるいは、金額に納得できない。
* 相手方の保険会社が、こちらの過失を言ってくるが、根拠がわからない。
【加害者側】
* 相手の方に怪我をさせてしまったが、お見舞いを断られた。何もしなくてよいか。
* 任意保険が切れていたので、病院代を請求されている。自賠責保険には入っているが、どうしたらいいか。
などです。
■ 弁護士に相談するメリット
交通事故の事件処理は、長期にわたることがあります。
まずは、お怪我の治療、回復を図ります。
治療終了後、後遺障害の有無や等級の認定、過失割合、損害額の計算を行っていきます。
その過程においては、たくさんの意思決定が必要ですが、たいていの方は、何もかも初めての経験であるため、判断が難しい場合があります。
とくに、示談提案を受けた段階では、その金額が適正であるかどうかわからない、また、その金額が過小であると思われる場合、どのような手続きで交渉を進めるのかについては、専門的な知識が必要です。
交通事故の事件処理では、「交渉」・「弁護士会の示談斡旋手続き」・「裁判所における調停手続き」・「訴訟」など、いくつかの手続きを選択することができますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、事案によって使い分けられています。
弁護士は、適時、必要な情報を整理して、あなたの意思決定をサポートします。
「自分ではどうしたらいいかわからない」と思ったら、まずは、お気軽にご相談ください。