弁護士 濱 本 由
この度、神戸市でも「ライフパートナー制度」が導入されることになりました。これは、互いを人生のパートナーとして尊重しあい、日常生活においても対等な立場で継続的な共同生活を営んでいる二人(主に事実婚、一方または双方が性的マイノリティのカップル等)が「ライフパートナー」であることを神戸市に宣誓する制度です。日本ではまだ同性婚は認められていませんので、法律婚の利用できない性的マイノリティカップルにとって、パートナーシップ制度は非常に重要であるといえます。
しかし、宣誓によって市営住宅入居審査時に一定の考慮がなされると説明されているものの、それ以外にどのような行政サービスが受けられるのかは明らかにされていません。また、3年に一度市の担当者からパートナーとの関係を維持しているか確認される、子どもも含めて家族として宣誓する「ファミリーシップ」制度の実施が予定されていないなどの問題点もあります。
パートナーシップ制度は、個人の多様性を尊重し、性的マイノリティカップルの婚姻の自由や幸福追求権、法の下の平等を保障するための第一歩といえる制度です。同性婚が認められていない現状について、複数の地裁で「違憲」または「違憲状態にある」との判断が出ている中、神戸市がこの制度をいかに実効性のあるものにしていくか注視が必要です。12月8日午前、神戸市議会でこの問題が取り上げられますので、皆さん是非ご注目ください。
以 上