養成スタッフ弁護士 野間裕加
1 はじめに
あいおい法律事務所でお世話になってから早6ヶ月が経ちました。先生方の手厚いご指導のおかげで、少しずつですが基本的な業務を習得できるようになり、弁護士の「卵」から、弁護士の「ひよこ」へと成長している(?)と勝手に感じています。あいおい法律事務所で学んでいて感じることは、技術の習得もさることながら、それ以上に「人権擁護への情熱」が弁護士活動を続けていく上で一番重要である、ということです。
これからご紹介する全国集会では、まさにその情熱を体全体で感じることができた経験でした。全国集会に参加することで、弁護団の活動は、単なる正義感や責任感だけではなく「当事者の痛み悲しみに心から共感し、突き動かされる情熱」がなければ到底できないものだと改めて実感しました。
2 10.25全国集会の概要について
「優生保護法問題の全面解決をめざす 10.25全国集会」は、2022年10月25日(火)に、「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」、「優生手術被害者・家族の会」、「優生保護法被害弁護団」の共催で開催されました。当日は、約1,400人が日比谷公園大音楽堂(東京都)に集まり、全国でのオンライン視聴では約1,200人が参加しました。
集会では、兵庫県以外にも札幌、仙台、東京、静岡、大阪、福岡、名古屋から原告らが集まり、「優生保護法の全面解決」への想いを訴えました。また、議連代表の福島瑞穂氏や元宮城県知事の浅野史郎氏が早期解決の応援あいさつをして下さり、盛り上がりました。
集会後は、参加者が国会議事堂までデモ行進を行いました。全国から沢山の障害者がデモに参加しました。当初は1梯団250人で構成する予定でしたが、多くの車椅子の参加者が参集され、デモ行進時のスペース確保のため、第1梯団は列を減少した程の盛況ぶりでした。
約1,400人のデモ行進は、15時半頃日比谷図書館前から始まり、参加者はスピーカーに併せて「国は謝罪せよ~」とコールを繰り返しながら国会議事堂に向かい移動し、請願書を提出した後、全国集会は終了しました。すでに日が暮れ始めた17時前でした。
3 新米弁護士として感じたこと
集会を通じて「全国の原告らとの一体感が深まった経験ができた」ということです。全国集会の主たる目的は「国に対する全面解決の訴え」です。しかし、実際に当日現場に行き、全国の原告らのお話を直接聴き、国に対する憤りや全面解決への強い想いを全身で感じ、その想いに心から共感することができたことは、弁護団の一員である私にとってはとても力になりました。私の中にある人権擁護思想が熱くなることを感じた瞬間でした。
今後は全国集会で体感した「情熱」を言動力として更なる経験を積んでいきたいと考えています。引き続きどうぞよろしくお願いします。