兵庫県神戸市にある法律事務所です。法律相談をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
usr.default.2/nav005.png-xsiz-190-ysiz-28-vtop
usr.default.2/nav008.png-xsiz-44-ysiz-58-vtop-turnusr.default.2/nav009.png-xsiz-42-ysiz-58-vtop-turnusr.default.2/nav010.png-xsiz-45-ysiz-56-vtop-turn
 
 
 
あいおい法律事務所
事務所紹介リーフレットはこちら
ご相談予約はこちらから
 
 
 
 
あいおい法律事務所 あなたの人生を、よりあなたらしく
Blog
あいおい法律事務所の弁護士によるブログです。
弁護士の日常やその時々の話題の話について綴っています。
2022-09-08 SATOYAMAイニシアチブの現在3~石川県珠洲市の実践
 
 
弁護士 吉江仁子

SATOYAMAイニシアチブの現在2からの続き】

4 珠洲市役所移住担当者のお話
 ⑴ 行程の最後に、珠洲市役所の移住担当の方からお話を伺った。
 ⑵ お話の概要
  「すず里山里海移住フロント」(*5)は、移住希望者からすれば、ワンストップ窓口。住まい、仕事、子育て、いろんな相談があり、私たちから、関係部署、関係団体に繋いで対応している。
  取り組みのバックグラウンドは、人口減少、少子高齢化。現在は、人口13,000人。このままだと、2040年には、7,500人との予測。人口を維持することで豊かな暮らしを実現したい。本市の人口ビジョンでは、2040年9,500人を目標にしている。年間80人、住人をを増やす目標。移住者の推移は、増加傾向。昨年は、最多で年間86人が転入した。年齢層は、20-30代の独身者が多い。しかし、転出も多く、転出超過は続いている。昨年は、96人の転出超過。
  町づくりの総合戦略のコンセプトは、「日本一幸せを感じられるまちづくり」。取り組みの4本柱として、「相談窓口の機能強化」「多様な働き方を支援」「住環境の整備」「里山里海を生かした体験や学びを重視」を掲げている。SNSを活用して、珠洲市の魅力を発信している。
「多様な働き方を支援」では、企業と連携してインターンシップを推進して、移住につなげている。
  「住環境の整備」では、「空き家バンク」で、ホームページで空き家情報を発信して、マッチングを行っている。これまでに、300件を登録し、220件の利用があった。家賃補助の制度もある。3年間、家賃の最大2分の1を補助する。昨年は、57世帯が利用した。住宅購入金額の3分の1(上限100万円。子育て世帯は、150万円)を補助する制度もある。昨年は8件の利用があった。空き家改修補助金の制度もあり、改修経費の2分の1(上限100万円、子育て世帯は、150万円)を補助している。昨年は、7件利用があった。また、市が空き家のサブリース事業を行っており、市の予算で、リフォームした後に、賃貸住宅として貸し出している。今、3件。管理中。
  課題としては、子育て世代の移住が少ないこと。里山里海を生かした体験プロフラムや体験学習を充実させていきたい。コロナで、体験プログラムは、減少してしまった。  
  今後は、持続可能な未来に向けて、移住をきっかけに学びや挑戦したいという思いを後押しし、生業を見つけたり、文化継承の担い手になったり、いろんな人が自分らしく暮らせるまちにしていきたい。
 ⑶ 質疑より
   移住者は、20代30代の独身者が多い。東京周辺や首都圏、金沢近郊から
来られる方が多く、自分で何かをやってみたい方や、どっぷり田舎暮らしをし
たい方が多いように思う。不便さは承知の上で、土地の文化を満喫していらっ
しゃる。
  
5 さいごに
少子高齢化に悩む地方自治体は多い。珠洲市の取り組みは、そのような切迫した思いを背景にしつつ、創意工夫と予算を使って、金沢大学とも連携しながら、若い人をターゲットにしているという明確なメッセージをもって、若い人がチャレンジできる居心地のいい持続可能な田舎の生活を提案できているように思った。非常に興味深い取り組みだった。

以上

----------------
*5 すず里山里海移住フロント:すず里山里海移住フロント