■　４月７日（水）共同訓練：１２日目：バス・地下鉄デビュー

　共同訓練に入って、３週間目に突入しました。そろそろ、折り返しです。
　「そろそろ」というのは、共同訓練は、自動車の教習と同じで、最低期間と所定課題をこなさないと卒業できないのです。通常４週間から６週間だそうです。私は、いつ、卒業できるのでしょう・・・。

　さて、今日は、バスと地下鉄に乗りました。
バスでは、乗車時にパスを見せながら、クルーの頭ををリードで半吊りにしながら、椅子に座り、クルーを座らせ、私の足と座席の間に伏せさせて、尻尾を足の間に畳みます。
しかし、なにせ初めてのことなので、クルーは、「私の足と座席の間」に伏せることはなく、やむなく、伏せたクルーの体をずるずると、私の足と座席の間に引っ張り込みます。
しかし、さすが大型犬。伏せたクルーは、座席２席分の足下を占領します。今日は、隣は訓練士さんだからいいですが、この状況で、果たして、隣に座る人がいるのかしら・・・。
　と、思っていたら、クルーが、床の上のものをパクリ。すかさず訓練士さんが見つけて、口を開けさせ、中のものを取り出しました。さすがです。
　後は、クルーが、クンクンしないか、床をペロペロしないかなどと緊張すること三駅。
　目的のバス停に着いて、他の人が降りるのをまって、クルーと一緒に降車。やれやれでした。

　そして、今度は、地下鉄です。
　地下鉄の駅は、入り口に２段ほど浸水対策の上る階段があり、その後、下る階段があり、通路があり、切符売り場があり、改札があり。
　下る階段で、地下鉄から降りてきた人の集団とすれ違います。すれ違いざま、クルーの頭をなでようとしたおじさんに、訓練士さんが、「すみません。訓練中なので・・・。」と、声をかけます。今日は、普段と違うコースで、盲導犬が珍しいらしく、そういう場面が他に２回ほどありました。私は、だれかがクルーをなでようとしていたことに気づいておらず、訓練士さんがそういうのを聞いて初めて気づく始末・・・。それにしても、下り階段での歩行中に、私が気づかない状態で、クルーの気を散らされるというのは、ホントに、怖いです・・・。

　さらに、クルーは、普段と違うコースで、集中力を欠き、「切符」と言っても、ふわーっとしながら切符の自販機を通り過ぎてしまいました。戻って、やり直しますが、ふわーっとしたままで、分かってるのかどうか・・・？
　改札を通り過ぎ、下りエスカレーターでホームに降ります。
　普段は、クルーは、建物（壁）と私の間に位置しますが、ホームでは、転落防止のために、線路側をクルーが歩き、私が壁側です。
　ホームでは、危険なため、ホームの際まで行くことはＮＧです。
　が、クルーは、乗り物が好きなんだそうで、反対側ホームに電車が入ってくるとそれに興味を持ち、ホームの際まで行き、下をのぞき込む始末。
　ちなみに、普段の路上訓練では、交差点では横断歩道の際まで行きますので、「際まで行く」のは、クルーくん、慣れています。
　しかし、もちろん、ホームでは、これはＮＧ！
　で、訓練士さんと私に叱られます。

　乗ること一駅。電車の中では、バスの中と同じ手順で、椅子に座り、クルーを（ずるずる引いて）座席と私の足の間に伏せさせます。

降りた駅で、改札を通っていったん外へ出た後、また、「切符」と言って、自販機を探すように指示しますが、またまた、ふらーっとスルーするクルー君。

なんだかクルー君、全然、集中力がない一日でした。私も、パスを出したり、クルーと他の人の関係に気を遣ったりと、いつもと違う「やらなければいけないいろいろなこと」に、なんだか、疲れてしまいました。そういう私の混乱が、クルーに伝わってしまったのかもしれません。

　ということで、バス・地下鉄デビューはつまづくことばかり。前途洋々とはいかないのでした。私の卒業は、いつになるのでしょうか・・・。