弁護士 吉江 仁子
■ はじめに
これは、2010年3月に初めて盲導犬の貸与を受けたとき、共同訓練中に書いていた日記です。
3月23日に合宿所にチェックインして、3日間は、昼間は犬なしでハーネスを持った訓練士さんと一緒に街を歩き、ハーネスの使い方、犬への指示の与え方などを学び、夜は座学で人と犬との歴史、犬の習性等を学びました。
4日目に、ようやく犬が連れてこられました。
共同訓練日記は、初めて犬が連れてこられた訓練4日目から訓練を卒業する24日目までの生活を綴っています。
訓練期間は、初代は4週間以上、代替えは2週間以上と決められています。
2019年1月に代替えの共同訓練の様子をアップしたところ意外と好評でしたので、今年はアーカイブ入りしていた初代共同訓練の様子をアップしていきたいと思います。お付き合いいただけると幸いです。
■ 3月26日(金)共同訓練4日目 初対面
今朝、午前9時、訓練士さんに連れられて、私のパートナー候補犬がやってきました。
名前は、クルー君。5月14日に2歳になる男の子です。
体重は約26kg。
なかなかの美形です。
今日から、一緒に歩く訓練、一緒に暮らす訓練が始まりました。
午前中は、当然、私のことを「新しいご主人様」と思うはずはなく、「歩行体験?」くらいの意識である様子。
指示を出しても、「ね?聞いてる?」と言いたくなることもしばしば。
ま、彼にすれば、「なんで、あなたから、指示がでてるんでしょうか?」くらいの気持ちだったと思いますが・・・。
それでも、よく訓練されよく自制したクルー君には、感心することしばしば。
右のほうに、ニャンコがいて、ちょっと脇見をしても、
「まっすぐ」と声をかければ、前を向いて、歩行を続け、
道ばたのにおいを拾って立ち止まることはなく、
向かい側から自転車が近づけば、通り過ぎるのを待ち、
実に、エライ。
午後も1コース歩き、
夕方には、ご飯をあげ、
排泄タイムも3回あり、
体もふいてあげ、と
一日一緒に過ごしているうちに、
夜頃には、「この人、一緒にいる人」くらいの存在にはなれたような・・・(たぶん・・・)。
今は隣でくーくー寝ています。かわいいです。
私がご飯や座学で、部屋を開けて、戻ってくると、ワンコベッドで、立ち上がって、しっぽをばたばた振って「おかえり~♪」と出迎えてくれるので、
「かわいー❤」と、構っていたら、
夜、訓練士さんに、「それだと、外出先でも、席を外して戻ってきたら、構ってもらえると思ってばたばたしますよ。ぐっと我慢して、伏せさせてください。」とのご指導を受けました。
それから、「犬は触ってもらうとうれしいので、犬が何もしていないときは、声だけでほめて、触るのは、訓練のときまで取っておいてください。」とも。
うぅ。私が自制するのが大変です・・・。