弁護士 濱本 由
では、今回は、実際に無効な婚姻届けが提出されてしまったときにどうすればいいかをご説明します。
無効な婚姻届が提出されてしまったら?~その1 調停~ 役所の窓口担当者が、婚姻届けが無効であると見破ることはほとんど不可能です。したがって、無効な婚姻届けでも形式的な記載が整っていれば受理され、戸籍に婚姻の記載がなされることになります。一旦このような記載がなされた場合、役所にいくら抗議しても、訂正はしてくれません。
この場合、まず、家庭裁判所に婚姻無効確認の調停を起こす必要があります。 先方(婚姻届を勝手に出した人)が、調停に出席し、勝手に出したことを認めてくれれば、婚姻の無効を確認する審判が出され(「合意に相当する審判」)ます。そして、この審判と審判の確定証明書を役所に持参すれば戸籍の訂正がなされます。
ただし、調停で解決できるのは、相手方の住所がはっきりしていて、相手方が調停に出席してくれる場合に限られます。相手方が行方不明の場合や、調停に出席する可能性がおよそない場合については、調停をとばして、家庭裁判所に婚姻無効確認の訴えを提起することになります。
なお、調停申立の前に、勝手に出された婚姻届の写しの取得や相手方の住所の調査も必要となりますので、調停をお考えの方は是非一度ご相談下さい。