弁護士 大槻 倫子
ハンセン病に対する国の誤った隔離政策によって、回復者ご本人のみならず、その家族も、社会の中で厳しい差別偏見にさらされ、あるべき家族関係を奪われ、被害を受け続けてきました。
学校や地域社会における差別、一家離散、結婚や就職における差別など、その被害は人生全般におよぶ深刻なものでした。そして今なお、社会内には偏見差別が残っています。
3月29日、そのような「家族」509名が、国に対し、謝罪と損害賠償を求める裁判を熊本地裁に提訴しました。
2月15日に第1陣としてすでに59名が提訴しており、原告は合計568名にのぼります。
兵庫県内からも、約20名の方が裁判に立ち上がられました。
さらに、この背後には今も残る偏見差別をおそれ、声を上げられない多くの家族がおられます。
今回の裁判は、国に対して謝罪と損害賠償を求めるものですが、のみならず、社会における差別の問題、社会で暮らす私たち一人ひとりのあり方を問う裁判でもあると思っています。
「ハンセン病」「家族」「裁判」でネット検索をかけて頂ければ、多くの報道記事を目にすることができます。
ぜひ、関心をおよせ頂き、ご支援頂ければと願っています。