弁護士 大槻 倫子
2001年、ハンセン病患者に対する隔離政策の誤りを断罪した熊本地裁判決を受け、国は控訴を断念しました。同じ年の6月22日、ハンセン病補償法が成立しました。
被害者の名誉回復と追悼のために。そして二度と同じ過ちを繰り返さないために。補償法が成立した6月22日を「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」と定め、この日にあわせて毎年、厚労省の敷地内に設置された「追悼の碑」を前に、追悼式典が開催されています。
今年は、当日が日曜となるため、前倒しで6月20日に開催されました。
厚生労働大臣等が、被害者への陳謝と哀悼の意を表し、今後の取組についての決意をのべた後に、当事者、そして遺族代表の方が挨拶にたちました。
今年挨拶にたった遺族代表は、兵庫県在住のFさん。言葉を失うほどのご家族の壮絶な被害、そして、ご両親への思いを語られました。
同日午後は、ハンセン病問題に関する厚生労働省との定期協議会。
療養所の職員削減問題など、喫緊の課題について議論が交わされました。
翌21日には、今年5月に相次いで亡くなられた、全国ハンセン病療養所入所者協議会会長の神美知宏さんと、ハンセン病国賠訴訟全国原告団協議会会長の谺雄二さんを「しのぶ会」がありました。
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014062101001671.html長年にわたってハンセン病回復者の尊厳の回復、偏見差別の解消にむけた運動の先頭に立って闘いぬいてこられた、本当に偉大なお二人を相次いで失ってしまった。その喪失感はあまりに大きなものですが、残された者たちでお二人の遺志を引き継いでいくことを誓い合う、とても心に残る会となりました。